創業トップの斉藤寛会長(90)に2024年の事業戦略を聞いた。
「値上げは一部です。確かにシュークリームは20%値上げしたが、それでも
1個120円(税別)だから他社よりは断然安い。販売は落ちていない。良質の商品を
お値打ちで提供することはシャトレーゼが崩してはいけない点です」
「卵など原材料価格は上がったが、それ以上にコスト削減の余地は大きい」
(2年連続で1万円のベースアップをしました。今春の方針は)
「賃上げは世間よりも少し高い水準で進めていく」
「国内店舗数は24年3月末に850店になる計画。(出店は)今年は抑えていこうと
思う。年内に国内3カ所(岡山、山形、鹿児島県)で新工場が稼働するので、生産
体制が強化されるまでは踊り場でいい。ただフランチャイズの出店希望は多い」
「24年は1店舗当たり売上高(全店平均日販)の拡大に力を入れる。足元の日販は
70万円近くになりセブンイレブンの水準が視野に入ってきた。販売増のためにギフト
需要を取り込んでいく。今は自宅用7割弱、ギフト3割強の販売だが、少子高齢化を
考えると国内ではこの比率を逆転させたい」
「今は(国内)2400店はいけるとみている。首都圏はまだまだ出店余地が大きい。
ドミナント(地域への集中出店)戦略を進めたい。地方にも出店する。出店は
加速度がつくので2400店まで10年はかからないだろう」
「国内だけでなくアジアも大きなマーケット。いま成長スピードが速いのが
インドネシア。1年で投資回収ができ市場の魅力が大きい。グループ売上高1兆円の
ために海外市場の具体的な戦略をこれから描く」